黒岩祐治知事メッセージ

人生100歳時代における「ME-BYO」コンセプト
超高齢化時代の問題解決

「未病」というコンセプトは、神奈川県から新しい発信、新しいステージを自らつくっていく大きなプロジェクトであると確信をしています。健康と病気は二分されるものではなく、実際には色のグラデーションのように連続的に変化していくものであり、そのグラデーションの部分が「未病」です。そして、病気になってからではなく、未病のグラデーションのどの段階にいても、日常生活で未病を改善する、少しでも健康な状態に近づけていくことが重要です。

世界で一番早く超高齢社会へと進んでいくのが日本であり、その中でも最も早く高齢化が進むのが神奈川県です。神奈川県の年代別の人口構成を見ると、1970年は年齢が上がるほど人口が減少するピラミッド形でしたが、2050年には全く逆になり、85歳以上が最も多くなります。この超高齢社会の問題を解決するキーワードが未病です。未病の段階でも健康を意識し、食生活に気を付けるとともに、運動や社会参加を心がけることが大切です。神奈川県では、未病を改善する新たな産業創出を目指す未病産業研究会を設け、国際連携にも力を入れています。

世界に受け入れられた「ME-BYO」
未病は現在、英語で「ME(み)―BYO(びょう)」と紹介されるなど、未病のコンセプトは世界中に受け入れられています。神奈川県から徹底的に訴え続けたということにより、2017年に政府の「健康・医療戦略」の中に未病という言葉が入り、2020年3月にも、「未病」の定義が盛り込まれた第2期「健康・医療戦略」が閣議決定されています。

また、2019年に開催された「ME-BYOサミット神奈川2019」で、WHO(世界保健機関)と東京大学の議論の結果として提起された「未病指標」は、未病の状態を数値化するものです。健康と病気のグラデーションのどの位置にいるのかを「見える化」し、個人が未病の状態を簡単に把握できます。2020年3月から神奈川県が無償で提供するスマートフォン向けアプリ「マイME-BYOカルテ」に実装して使えるようになりました。
いのち輝く社会の実現に向けて
私は2011年に知事に就任して以来、神奈川県の全ての県民が「幸せで『いのち輝く』」、言い換えると、「Vibrant”INOCHI”」な社会づくりを目指してきました。「Vibrant”INOCHI”」は、まさに国連が掲げるSDGs(エスディージーズ、持続可能な開発目標)そのものです。「INOCHI」は、「life」と訳されますが、もっと広い意味を持っています。「生きがい」「健康長寿」「笑い」「良い環境」「コミュニティ」などで成り立ち、多様性を根幹としています。そして、「INOCHI」を輝かせるために、未病への取り組みが欠かせません。
神奈川県の未病への取り組みは、将来、世界が直面する超高齢社会の解決策を示すモデルケースになります。「ME―BYO」というコンセプト、このシンプルなメッセージは超高齢社会という課題の最先進国として、日本が世界に向けて新しい健康像作りを発信するチャンスであり、また発信することが使命であると考えています。

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